自己破産に悩む
「くっ……親父、正直に話すぜ。やっぱり自己破産を回避することは不可能みたいだ!」
「情けない! 情けないぞ、我が息子よ! 先の自己破産回避宣言は何だったのだ! 実の親に夢を見させることも出来んのか!
自己破産しかないと言うこちら対し、その程度の逆境など笑えと言ったあの時の、あの輝きと勢いはどこに消えた!?」
「うぐっ! だ、だが、物理的に考えても、やはり人一人が隕石という借金返済に立ち向かえるはずがない! 自己破産だって、同じだ!
親父がどうにも出来ない自己破産という現実を、バイトの時間を少し増やした程度の高校生が変えられるはずがないじゃないか!」
「負け犬の目をしよって! なっちゃいないぞ! それこそ、笑え! 男が一度大風呂敷を広げたのだ! 最後まで笑わんか!」
「親父に俺を責める権利があるってのかい!? 先に自己破産と呟いて負け犬の目をしてたのは、親父だろ!?」
「それはそれ、これはこれだ! 話題をすり換えるな! 今はお前の話をしている。自己破産を回避して見せると言ったくせに、
その発言を現実化出来なかった、どうしようもない嘘つきな負け犬の話をしているのだ! 分かっているのか、この馬鹿息子!」
「お、俺が嘘つきだって!? 俺は……俺は確かに自己破産を覆せなかったが、その言い様はあんまりだろう!」
「この馬鹿者め! では何か? 私の方が嘘つきだというのか? 自己破産しかないと言った私が嘘つきなのか?
それとも自己破産など勢いでどうにか出来ると言ったくせに、今は無様に膝を折っているお前が嘘つきなのか?
どちらが嘘つきだ? 私かお前か、どっちだ!? さぁ、言ってみろ!」
「うぅ……お、俺が……俺が嘘つきだって言うのか。くっ、正々堂々、生きてきたはずなのに、俺が、嘘つき!?」
「ああ、お前は嘘つきだ。まずはそこを認めるべきだ」
「俺は、嘘つき。自己破産は、回避出来ない。それを、認めるべき?」
「そうだ。認めてしまえ」
「…………イヤだ! 俺は諦めないぞ! 俺は嘘つきじゃない! まだ、何か手はあるはずだ!」
「ほう? まだ諦めずに自己破産という運命に立ち向かうというのか?」
「ああ、やってやる! やってやるさ! 俺は嘘つきなんかじゃあない! 見てろよ、親父!」
「ふっ……目が生き返ったな。それでこそ、我が息子だ。よかろう、やって見せろ!」
「任せろ! 見てろよ、自己破産程度の運命、この俺が何とかして見せるぜ!」
そんなわけで、諦めかけた青年は父の励ましにより、今一度立ち上がったのだった!
頑張れ、青年。負けるな、青年。自己破産よりも、きっと目の前にいる親父が真の敵だったりすると思うぞ!